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  • トップセールスを究める2013年5月号

    チャレンジしても無理はしない、絶妙のバランス感覚で攻め、守る(ノーベル製菓株式会社・社長 藤澤肇氏)

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sc_1307_2---新商品の開発ペースはどれくらいですか。

年間に30品目以上は出しています。そのなかで、そこそこの反応があるのは1品か2品。ヒット商品と呼べるのは、数年に1品あればいいほうでしょうね。

新商品が完成すると、営業がお得意先である問屋や量販店に持ち込みますが、慢性的に商品の供給過剰状態が続いているので、すぐには飛びついてはもらえません。

---藤澤社長が開発担当だったときにヒットしたのは、どういった商品ですか。

20年以上前の話ですが、私が手がけて最初にヒットしたのは、「スーパーレモン」という商品でした。1980年代の後半は激辛ブームで、唐辛子のキャンディを発売した同業他社もありました。それに乗って、辛いだけの商品を出すのは抵抗があり、同様に刺激の強い商品でも、眠気が覚めるぐらい酸っぱいキャンディを開発したところ、発売当初から大きな反響がありました。レモン味のパウダーをまぶす、当時としては画期的な製法だったこともあり、つくるのに手間がかかったため、注文に生産が追いつかずに苦労するといった経験もしました。

時代の移り変わりとともに様々なブームがやってきます。そうしたブームにも乗っていかなければ、売上を伸ばすことはできませんが、安直にブームを追いかければ、類似品の山の中に埋没してしまいます。ブームが去ってしまえば、返品や不良在庫を抱えてしまう結果になりかねません。したがって、何であれ当社流にアレンジして、他社とは一味違う商品の開発に取り組むことが重要だと思っています。

---当然、営業から開発にいろんな要望も出てきますね。

そうですね。でもその大半は、すでに顕在化しているニーズ、つまり、「こんな商品が売れているので、当社でもやってみては」という情報です。すぐにモノづくりはできますが、後発商品ですし、その程度の認識で取り組んだ商品は、営業が量販店、小売店に持ち込んでも、芳しい評価は得られません。ですから、売れ筋商品の傾向をとらえるための参考にしたり、プラスアルファの要素が加えられるようであれば商品化に踏み切ることをセオリーにしています。



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(株)名南経営コンサルティング
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