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  • トップリーダーたちのドラマ2011年11月号

    熱・空気・水のハイテク企業へ新規事業を次々に育てる(コロナ社長・内田力氏)

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三条鍛冶の伝統をひく金属加工業で知られる新潟県三条市。信越線三条駅からほど近いとある工場で、ここ数か月、石油ストーブや石油ファンヒーターといった暖房機器の生産が急ピッチで進められている。
「例年だと、12月いっぱいで暖房器具の生産をほぼ終え、来夏に向け冷房関係へシフトするのだが、この冬の場合、需給が逼迫(ひっぱく)しており、1月どころか2月まで生産に追われるかもしれない」
そう語るのは、石油ファンヒーターではダイニチ工業と、石油ストーブではトヨトミと国内市場をほぼ二分するコロナ関係者だ。
3月11日の大震災と東京電力福島原子力発電所の停止は、電力の供給不足、節電意識の高まりを惹起(じゃっき)し、今夏、扇風機などの大幅需要増につな がった。今冬もまた電力不足が懸念されており、電力を使わずに暖房可能な石油ストーブ、あるいは節電型石油ファンヒーターの需要が急増している。すでに被 災地近辺の大型家電量販店では、これらの暖房器具が売り切れてしまったところも出ている状況だと聞く。
いかにも技術畑出身らしく、内田力(つとむ)・コロナ社長は実直な口振りでこう語る。「震災後、弊社では石油ストーブを2,200台ほど被災地にお送り し、大変喜ばれた。で、4月に入り生産計画を立てるにあたり各販売先に情報をいただいたのだが、注文台数は昨年比大幅増となった。もっとも具体的数字は東 証に叱られるので、現時点では明らかにできないが」
コロナは内田社長の実父である鐡衛(てつえ)前社長が創業した会社だが、同時に業界では加圧式石油コンロや石油ストーブを日本で初めて開発した会社として も知られている。つまりコロナは石油系暖房機器のパイオニア企業なのである。とはいえ、震災直前までは寒冷地などを除きこれらの石油暖房機器の需要は先細 り気味だった。コロナも前11年3月期こそ、寒波の襲来と震災以降の需要増でこれら暖房機器が18%強の売上増となり、長年主力事業として育成してきた住 設事業の堅調さもあって、売上高800億円超、経常利益27億円超と増収増益決算となったが、それ以前は三期連続減収減益となっている。



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