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    独自の排水浄化装置を普及させ世界中にきれいな水を届けたい(株式会社アイエンス・社長 吉田憲史氏)

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画期的な独創性が高く評価される排水浄化装置「アクアブラスター」を開発したアイエンスの吉田憲史社長。
従業員はわずかに4名ながら、大企業のプラントへの導入事例を重ね、そのコストダウンに貢献している。
独学で研究を重ねた吉田社長が、その開発の経緯を語る。

靱(うつぼ)公園に近い小さな雑居ビル。その一室に入居するアイエンス大阪オフィスには、同社の環境改善システムの導入事例として、様々なプラントの写真が展示されている。事例の多くは大企業で、プラントも大きい。対する同社は、従業員4名。営業活動は代理店が行ない、製品の製造は協力工場に委(ゆだ)ねたファブレスで、同社は吉田憲史社長を中心に環境改善システムの研究開発に特化する。
主力製品の1つである「アクアブラスター」は筒状の排水浄化装置で、浄化槽内に設置しておくと、下部のノズルから噴射された空気が筒内で微細(びさい)な気泡に変わり、旋回流(せんかいりゅう)が発生。汚水が攪拌(かくはん)されて浄化槽内に酸素が行き渡り、水中の微生物による生分解作用によって、悪臭のもとになる汚泥の発生を防ぐ。
こうして水を空気にさらす方法はエアレーション(曝気(ばっき) )と呼ばれ、排水処理技術の1つとして確立されてはいた。しかし、従来の装置では浄化槽内に酸素を送ることに主眼を置くだけで、汚水は攪拌されず、汚泥の沈殿を防ぐことができなかった。アクアブラスターは筒内に特殊な形状の突起物を設けることで、微細な気泡を発生させることに成功。また、突起物によって旋回流が生じて浄化槽内で汚水が循環するため、汚泥の発生を防ぐことができる。

大手プラント会社や自動車メーカー、製パン工場など、アクアブラスターの導入実績は、過去10年間で約60件。自治体などが定めた基準値をクリアすることで、排水をそのまま下水に放流できるようになった企業では、年間1,200万円のコストダウンに成功したという。また、硫化水素が発生するため24時間の監視態勢が必要だった企業では、監視員の人件費や汚泥処理用の薬品代が不要になり、年間1,900万円ものコストダウンを実現している。



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