厳選記事

  • 闘うトップ2013年11月号

    独自の排水浄化装置を普及させ世界中にきれいな水を届けたい(株式会社アイエンス・社長 吉田憲史氏)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いつしか流体力学を学んだ渓流釣りとウインドサーフィン

そして、もう1つの突破口を私に与えてくれたのが、渓流釣りとウインドサーフィンでした。流体力学と言うと恰好がよすぎますが、渓流釣りもウインドサーフィンも、水や空気の流れを考えなければいけません。たとえば、水と水が「争う」状態はキャビテーションと呼ばれるのですが、水や空気に乱流を起こすわけで、通常はいかにキャビテーションを抑えるかに知恵を絞ります。

ところが、あえてそれを起こせば「争う」状態が生まれる。アクアブラスターの筒内に突起物をつくろうと考えることができたのは、そういう知識があったからだと思います。

               ◇ ◇ ◇

創業後の数年間、吉田社長は雌伏(しふく)を強(し)いられたが、実験を重ねて排水処理技術の精度を高めるうち、環境問題に対する社会的な関心が盛り上がったことも影響して、同社の経営は徐々に軌道に乗っていった。

05年にはアクアブラスターの独創性が評価され、関西ニュービジネス協議会が主催する「NBK大賞」で、環境・アメニティ部門賞を受賞。現在、排水処理とその技術を応用した排ガス処理を二本柱に、同社の製品は海外にも販路を広げつつある。

               ◇ ◇ ◇

エアレーションのほかにも、排水処理技術はいろいろあります。でも、それらは水の状態に応じて薬品の量を変えるような高度なノウハウが不可欠で、有毒ガスの発生を考慮した厳しい管理態勢も必要です。経済的なコストもかかる。発展途上国にとって、そのハードルは決して低くないのが現実なんですね。

ところが、アクアブラスターをはじめとする私どもの環境改善システムなら、特殊なノウハウも24時間の監視員もいりません。コスト面でも、ランニングコストが安いので、従来の方法に比べれば負担は軽いと思います。そういった点を活かして、タイやベトナム、マレーシアなど、まずは東南アジアで需要を開拓しているところです。

そして、いずれはアフリカをはじめ、水資源の枯渇(こかつ)に悩む国にも進出したい。私どもの現状を考えれば、まだまだ夢のような話かもしれませんが、濁(にご)った水しか飲めない子供たちに、日本の水のようなきれいに澄んだ水を飲ませてあげたいんです。微力ですが、いつか必ず実現したいと思います。

▲アクアブラスターの稼働中の様子。規則的な泡によって浄化槽内の汚水が循環している。



≪ 関連書籍 ≫

『実践 経営実学 大全』
(株)名南経営コンサルティング
関連書籍
  • 社員を幸せにしたい 社長の教科書
  • 言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール
  • 「売らない」から売れる!どこにでも売っている商品を「ここにしかない」に変える5つの法則
  • ランチェスター戦略「小さなNo1」企業
  • 安部龍太郎「英雄」を歩く
このページのトップへ