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  • 組織のつくり方2013年6月号

    「しかけ」を工夫した制度で働きやすい職場をつくる(株式会社コンビーズ・社長 平井武氏)

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通勤が短いほど手当が多いご近所さんトクトク制度
他方、福利厚生で目につくのは「ご近所さんトクトク制度」と呼ばれる近隣居住手当。同社への通勤距離が短いほど、支給額が増える。
「通勤時間が長くても、その時間を有効に活用できるならいいんです。それに、慣れてしまえば、たいして苦痛も感じないでしょう。でも、通勤に要する時間が長いほど、1日の時間の使い方に制約が加わるのも事実で、毎日のことですから、できるなら短いほうがいい。たまたま読んでいた書籍に同様の制度が紹介されていて、早速、採り入れました」
この制度を始めたのは、2007年の暮れから。住まいがオフィスから半径2キロ圏内であれば、毎月、3万円が支給される。
同様に、3キロ以内の場合は2万円で、4キロ以内だと1万円。これとは別に、同社では通常の住宅手当も設定されていて、その規定に該当する場合、最大でさらに1万円が上乗せされることになる。
同社は、大阪市内でも有数のビジネス街とされる北区堂島浜にオフィスを構える。最寄り駅はJR北新地駅で、JR大阪駅からも500メートルほどしか離れていない。周辺の家賃相場は、大阪市内でも最も高い地域の1つだが、現在、6名が支給対象になっている。
当然、社員からは好評で、この6名以外にも引っ越しの機会に制度の利用を検討する社員は少なくない。
それは、おそらく若い世代の単身者が多いからだろう。ワンルームマンションなどへ転居しやすい社員にとってはメリットも大きく、実際に制度を利用している入社5年目のデザイナー・山川朝美さんは、徒歩通勤の利点を挙げる。
「通勤ルートの大部分には地下街もあるので、雨の日も歩けます。毎朝、30分ほど歩いて出勤するのですが、軽い運動をするからなのか、会社に着くころには眠気も飛んで、仕事への頭の切り替えがスムーズにできるような気がします」

しくみとしかけはクルマの両輪

社内コミュニケーションの施策にせよ、福利厚生の制度にせよ、平井社長は書籍やネットなどで他社の事例にヒントを見出すと、自社にも積極的に採り入れてきた。ただし、いくらよい「しくみ」でも、ただ導入すれば何か効果が表われるというわけではない。それをうまく運用し、効果を上げるには、何らかの「しかけ」が大切だと、平井社長は言う。
「世の中には模範にしたい会社がたくさんあって、社員が働きやすいように考えられた素晴らしい制度やしくみも山ほどあります。でも、しくみさえつくればうまくいくほど簡単ではない。しくみが動き出すには、しかけが必要だと思うんです。自社の状況に合ったしかけを工夫して、初めてしくみが効果を発揮する。しくみとしかけは、どちらも不可欠なクルマの両輪だと思います」
「しかけ」の一例として、平井社長は「ご意見用紙」という取り組みを挙げている。
これは毎週1回、朝礼が行なわれた後、全社員に配布されるA4サイズの提案書で、原則として提案内容は自由。ただ、用紙の記入欄が2つに分かれていて、一方は平井社長宛、もう一方が直属の上司に宛てた意見を記入する。
「ご意見」には鋭い指摘も多く、「1週間くらい、その用紙を抱えて考え続けなければいけないこともありますね」と、平井社長は話す。
「しかけ」の第一は、朝礼後すぐに配布すること。平井社長が朝礼で話した内容に対する意見が出やすいのだという。第二は、所定の用紙に自筆で記入すること。手間がかかるぶん、優先順位の高い作業と社員が認識するのだろう。
「ただ用紙を配布して、何か意見があったどうぞ、と言うだけでは、これほど真剣な取り組みにはならなかったと思うんです。そのほかの取り組みも同様で、たとえば『ランチDEデート』も、部署の違う社員を集めただけの昼食会だったら、お通夜みたいな雰囲気になってしまうと思う。私どものように社員の年代が近くて、周辺にいろんなお店がある環境だからこそ、親睦の場になるのでしょう。よいしくみほど、自社に合ったしかけを工夫しなければ、期待するほどの効果は表われないような気がします」

【ポイント】
1.他社事例をヒントに、有用な制度は積極的に採用する
2.自社の環境に合った「しかけ」を工夫する



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