厳選記事

  • キラリと光るスモールカンパニー2013年3月号

    世界初、バネを使ったメンテナンス不要の濾過装置を開発し見事に下請けから脱皮(株式会社モノベエンジニアリング・社長 物部長順氏)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

細菌も除去できる汎用型の万能濾過装置

sc_1303_3 「一般的な濾過装置より幅広い汚濁水や粉じんなどに対応でき、バネ式フィルターの隙間は10から90マイクロメートルの間で設定できます。汎用性フィル ターとして濾過性能はダントツに高く、ランニングコストは多孔質の精密フィルターに比べて数10分の1から数100分の1と桁違いに安いのですが、バネが 安い素材と見られ、性能は高いのに相応の値段の濾過装置と思ってもらえないのが残念です」と物部社長は悔しさをにじませる(以下、発言は同氏)。
モノMAXは濾過する対象によって様々にカスタマイズできる。たとえば、高い濾過精度を発揮する必要はないが流量が多く、処理スピードを求められる場合、バネ式フィルターの突起を高くして隙間を広げる。
一方、微細な汚れまで濾過する場合は、突起を低くして隙間を狭めるとともに、珪藻土(けいそうど)からつくられた濾過助剤を汚濁水に混ぜて、わざと目詰ま りに近い状態にする。珪藻土がバネ式フィルターに付着することで濾過材の役割を果たし、なんと最小で0.1マイクロメートルの粒子までこしとる。一般的に 細菌のサイズが0.5マイクロメートルなので、雑菌類も問題なく除去できるという。
当初、粘度の高い汚濁物はバネ式フィルターの周囲に固着し、逆洗浄しにくかったが、その後、改良を加え、現在では液体に空気の泡を混ぜて高圧で一気に洗浄 する装置も開発し、この問題を解決した。これまでに食品・化学工場、温泉施設、トンネル工事濁水処理などを中心に、330台ほどを納入している。
一般のフィルターでは対応しにくい案件が多く、基本的に濾過する対象にあわせてカスタマイズしている。そのため、装置の完成まで早くて半年、長引くと2年ほどかかるが、モノMAXの性能を求めて引き合いは絶えないという。



≪ 関連書籍 ≫

『実践 経営実学 大全』
(株)名南経営コンサルティング
関連書籍
  • 社員を幸せにしたい 社長の教科書
  • 言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール
  • 「売らない」から売れる!どこにでも売っている商品を「ここにしかない」に変える5つの法則
  • ランチェスター戦略「小さなNo1」企業
  • 安部龍太郎「英雄」を歩く
このページのトップへ