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  • キラリと光るスモールカンパニー2012年8月号

    “奇跡の生物”ミドリムシの屋外大量培養・製品化を世界で初めて実現(株式会社ユーグレナ社長・出雲充氏)

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sc_1208_1藻類の一種でありながら、自ら移動することのできる不思議な生き物「ミドリムシ」が将来的に危惧される人類の栄養や燃料不足、二酸化炭素の増大といった問題を解決する救世主になるかもしれない。
世界で初めてミドリムシの屋外大量培養を実現したユーグレナの出雲充社長にミドリムシ活用の可能性と、これまでの苦闘を聞いた。

sc_1208_2単細胞の微細藻類の一種で、ラテン語の「ユーグレナ=美しい目」という優雅な学術名をもつ不思議な生き物であるミドリムシが、人類の救世主になるかもしれない。

ミドリムシは植物のように光合成を行なうが、栄養分を体内に蓄積するとともに、鞭毛(べんもう)を使い、細胞を変形させて動物のように動くことも可能である。外界からえさを摂取することなく、水と光と二酸化炭素さえあれば生きることができる。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸、あるいは魚に多く含まれるDHAやEPAといった不飽和脂肪酸など、人間が必要とするほぼすべての栄養素59種類を含有しており、植物のように細胞壁をもたないため、摂取すれば消化率93%とその栄養素のほとんどを消化吸収できる。人間にとって“完全食”と言えるのである。

粉末1グラム(ミドリムシ約10億匹分)で、人間が必要とする1日分の栄養素をまかなえる。たとえば、ほうれん草50グラム分の鉄分、豚レバ150グラム分のビタミンB1、さんま50グラム分の葉酸などが含まれているという。

二酸化炭素濃度が大気中の約1,000倍という環境でも成長でき、二酸化炭素の吸収・削減能力は熱帯雨林と比較して敷地面積当たり数倍というデータもある。さらに、成長する際に油脂分をつくり出し、細胞内に蓄積する性質も備える。その油はジェット燃料に適した炭素構造をもつ高品質のバイオ燃料になり得るため、実用化に向け研究が進んでいる。

ミドリムシは食糧、二酸化炭素削減、燃料への転化という、人類にとって一石三鳥の機能がある奇跡の生き物なのである。

学生時代にミドリムシに着目し、大学卒業後に世界で初めて屋外大量培養とビジネス化に成功したユーグレナの出雲充(いずもみつる)社長(32歳)はこう語る。

「未来における人類の様々な問題を解決し得る力をもつミドリムシは、いまから約5億年前に地球上に誕生し、17世紀にオランダ人の研究者によって発見されました。豊富な栄養素をもつことは古くから知られており、90年代以降、日本でも盛んに研究されてきたのですが、大量培養できず、夢物語だけが先行して語られていました」(以下、発言は同氏)



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