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  • 闘うトップ2014年5月号

    「おもろいタクシー」で人と街とを繋ぐ担い手になる(近畿タクシー株式会社・社長 森﨑清登氏)

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ドライバーの確保はダイバーシティ化で

他のアイデアタクシーも同じです。地域の人たちがもっている資源をテーブルに出してもらって観光に結びつけてきた。それをつなぐ役割をタクシーで果たそうということです。いままでアイデアタクシーは何十と企画して、外れになったものも少なくありませんが、外れても構わない。1番のヒット商品である「スイーツタクシー」も、年間のお客様は400組くらいで売上自体は驚くほどのものではありません。それよりもいろいろな試みをして、当社や社長の森﨑を世間に知ってもらうことが大切やと思っています。実際、「あの会社は何かおもろいことをやってる」と言われることをめざしてきました。そこから人との新たな繋がりが生まれ、商売や復興に役立てることができるんです。「My Qpit」としてブランディングを始めたのも同じねらいです。

「タクシー業界はこのままじゃいかん」と言うと、業界の人は皆「そうや」と頷いてくれます。でも、頷くだけで何か新しいことを実行しようとはしない。「さっぱりや」「儲からん」とぼやくだけでは業界に未来はないことに早く気づいてもらいたいと思っています。

業界のいまの課題はドライバーの確保です。当社もロンドンタクシーを導入したとき、ドライバーの平均年齢は40歳くらいでしたが、そのまま年を重ねていまは65歳になっています。地方ではドライバーのなり手がいないのです。

では、どうするか。まだ構想の段階ですけど、地域に住む女性や定住外国人、ハンディキャップをもつ人を集めてダイバーシティ(多様性をもった雇用)の職場にできないかと考えています。現在予約営業は40%で、神戸に80社あるタクシー会社のなかで屈指の高さですが、そうなればもっと予約比率を高める必要もあるだろうし、宅配とタクシーを一緒にやるという手もあるかもしれません。そういうかたちに事業をつくりかえていくことで、本当の意味で人と街をつなぐ地域交通の担い手になれるんやないかと思います。



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